廃盤
4CD
モ-ツァルト:
ヴァイオリン・ソナタ集
ルプー/
ゴールドベルク
録音当時64歳のベテランであったゴールドベルクと、34歳年下のリリシスト、ルプーの理想的ともいえる組み合わせ。
繊細かつ抒情美にあふれたアルバム。
シモン・ゴールドベルク(1909-1993)は、12歳でコンサート・デビュー、16歳でドレスデン・フィルのコンサート・マスターになり、20歳でフルトヴェングラーに請われてベルリン・フィルのコンサート・マスターに就任しますが、ナチスの台頭により英国に移住。
その後、リリー・クラウスと組んで世界ツアーをおこないますが、1942年、ジャワ島滞在中に日本軍の捕虜となり、終戦まで抑留されてしまいます。
戦後はヴァイオリニスト、指揮者、教育者として世界的に活躍しますが、晩年は日本に居を構え、多くのファンを魅了していたものです。
SP時代にリリー・クラウスとのコンビで伝説的なモーツァルト録音を残しているゴールドベルクが、“世界最高のリリシスト”ルプーとのコンビでふたたびモーツァルトを取り上げたこのアルバムは、1973年から翌年にかけてロンドンで開かれた全曲演奏会の大成功を受けてデッカによりレコーディングされたもので、初登場以来あらゆる賛辞を受け続けている名盤です。
ルプーの清潔なフレージングと軽やかなリズム感、明快なタッチが紡ぎ出す音楽はまさに“リリシズム”の極地。このピアニストのレコーディングの中でもひときわ評価が高いことにも納得の素晴らしさです。
しかし、それ以上に素晴らしいのがゴールドベルクのヴァイオリンです。
第二次大戦後は指揮活動にも積極的だった彼だけに、ピアノとのアンサンブルに以前にも増して息の合ったアプローチを示していることは当然としても、音色の艶や表現のみずみずしさ、端正な造型の美しさがまったく失われていないことは驚異的といいたいところ。
その熟練ぶりと感覚的なうるおいとの美しい統一こそ、この演奏が多くのモーツァルティアンを魅了し続けている魅力の源泉なのでしょう。
なお、ゴールドベルク本人は、リリー・クラウスとの録音よりも、このルプーとのデッカ盤の方が気に入っていたということです。
CD-1:
・ヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調 K.301
・ヴァイオリン・ソナタ第26番変ホ長調 K.302
・ヴァイオリン・ソナタ第27番ハ長調 K.303
・ヴァイオリン・ソナタ第28番ホ短調 K.304
・ヴァイオリン・ソナタ第30番ニ長調 K.306
CD-2:
・ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調 K.296
・ヴァイオリン・ソナタ第32番ヘ長調 K.376
・ヴァイオリン・ソナタ第33番ヘ長調 K.377
・ヴァイオリン・ソナタ第34番変ロ長調 K.378
CD-3:
・ヴァイオリン・ソナタ第29番イ長調 K.305
・ヴァイオリン・ソナタ第35番ト長調 K.379
・ヴァイオリン・ソナタ第36番変ホ長調 K.380
・ヴァイオリン・ソナタ第40番変ロ長調 K.454
CD-4:
・ヴァイオリン・ソナタ第41番変ホ長調 K.481
・ヴァイオリン・ソナタ第42番イ長調 K.526
・ヴァイオリン・ソナタ第43番ヘ長調 K.547
シモン・ゴールドベルク(vn)
ラドゥ・ルプー(p)
録音:1974年2月,5月,9月 ロンドン、キングズウェイ・ホール(ステレオ)
コンディション良好。
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