1945-2019 大阪府生まれ、二紀会委員、女流画家協会委員、大阪芸術大美術学科教授、第33回安井賞、日本秀作美術展他、文化庁作品買上、文化庁在外研修員、画集「北久美子作品集」出版、1988年以降制作した"夢想の楽園”シリーズを中心に、澄みわたる青空、命を調歌するように鮮やかな色彩の草花や鳥たち、とりわけ孔雀の艶やかな姿態、そして未知の奥行きを示す神秘的な水平線などで構成された風景画を制作した

北久美子（1945-2019）の作品です。北は、大阪府出身の画家で、二紀会委員や女流画家協会委員を務め、大阪芸術大学で教授を務めた経歴を持ちます。彼女は、澄み渡る青空と生命力に満ちた草花や鳥たち、特に孔雀の美しい姿を鮮やかな色彩で描く「夢想の楽園」シリーズを手がけました。

北久美子「夕風」油彩 8号
本作品「夕風」は、彼女の代表的なシリーズ「夢想の楽園」の一つで、澄み渡る青空と鮮やかな色彩で描かれた草花や鳥たちが特徴的です。この絵には、満月が浮かぶ静かな夕暮れの風景が描かれており、その中で孔雀が優雅に佇む姿が印象的です。タイトルの「夕風」は、夕方に吹く穏やかな風を意味し、この絵全体に漂う静けさや安らぎを象徴しています。

深い青の空と対照的に、孔雀の鮮やかな羽根の色彩が画面に華やかさを与えています。右側には色鮮やかな花々が咲き誇り、空中を舞う蝶が自然の調和を感じさせます。遠くには水平線が広がり、未知の奥行きを暗示するような神秘的な風景が描かれています。「夕風」というタイトルは、作品の中に流れる時間と、自然が織りなす静かな瞬間を感じさせ、見る者に夕暮れの心地よい風と共に広がる自然の調和と安らぎを伝えます。北久美子の独特な表現力で描かれたこの作品は、彼女の生命に対する深い洞察と、自然の美しさを称賛する心が感じられる一枚です。画伯の真骨頂・南国花鳥画の名画です。