ERIC CLAPTON / REPTILE (1CD)
エリック・クラプトンの通算19作目のソロでありオリジナル・アルバムとしては1998年『ピルグリム』以来となるニュー・アルバムが遂に登場!プロデュースは現在のクラプトン・ミュージックに欠かせないサイモン・クライミーとクラプトン自身の連名。そしてスティーヴ・ガッド、ネイザン・イースト、ジョー・サンプル、ビリー・プレストン、ジ・インプレッションズ(凄くいい仕事してます!)らががっちりとバックを固める。前作『ピルグリム』が文字通り殉教者的な重さを背負った作品、その後のB・B・キング御大との共演作がリラックスしたのびのびブルース作だったので、今回どういうスタンスでくるのかと思ったけれど、かなり大雑把に表現すれば後者の生っぽさを引き継ぎながらその中間辺りのサウンドを展開、といったところだろうか。前作が頭にあったのと今作が昨年亡くなったクラプトンの伯父に捧げられた作品ということで気負って聴き始めたところ、アルバムは妙に軽快なボサ風フュージョンで幕を開け、続くブルースもどこか軽やかなヴォーカルを聴かせるなど少し肩透かし。しかしその後M-3が立ち上がってくるところからシフト・チェンジ!この辺りからアルバム後半にかけてポップかつブルース/ゴスペル/R&Bのテイストが濃厚なナンバーで聴き手をどんどん惹き込んでいく。古いブルース・ナンバー、レイ・チャールズ、スティーヴィ・ワンダー、JT、JJケイルの曲などカヴァーが作品中約半数を占めるが、どれもポップ+黒人音楽感覚の折衷が見事!特にスティーヴィ・ワンダー曲のポップさやJTの黒人音楽的要素を見据えた「寂しい夜」のカヴァーが面白い。全体としてはさらっとしていてクラプトンの現在の比較的「いい状態」の気分が伝わってくるし、アコースティック/エレクトリック問わずギターも堪能しまくれる。ファンには全く文句なしの出来といえる事は間違いないでしょう。じわじわと染みてくるアルバム。
01. Reptile
02. Got You On My Mind
03. Travelin' Light
04. Believe In Life
05. Come Back Baby
06. Broken Down
07. Find Myself
08. I Ain't Gonna Stand For It
09. I Want A Little Girl
10. Second Nature
11. Don't Let Me Be Lonely Tonight
12. Modern Girl
13. Superman Inside
14. Son & Sylvia