ペルー南部、Madre de Diosにてライトトラップに飛来した個体です。
タカクワイが種、亜種として有効かは今後の研究の進展を待ちたいと思いますが、外部形態の特徴や分布からは一般的にタカクワイとされている個体群にあたります。
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タカクワイは分かりやすい特徴として胸角の根本の突起、及び頭角の根本の突起の発達が弱いことが挙げられます(2002年の月刊むし381号に掲載されている永井氏の原記載では、それぞれ「あまり目立たない」、「基部の突起を欠く」とあります)。しかし詳細な標高と座標のデータのある、近年ペルー南部で得られたオス個体を20頭ほど観察したところ、外部形態にはかなりの個体差があることが分かりました。
・胸角
根本の突起は全体的に発達が弱くなりますが、個体によっては真側面から見て三角形のシルエットがはっきりと確認できるほどに発達することもあります。
湾曲の度合いは大型、小型個体とも安定せず、スッと前方に伸びるものから湾曲している部分と直線状の部分に分かれるやや歪な形の個体までありました。
稀に根元が極めて太い個体が現れるようです。
・頭角
根本付近の突起は2箇所から成り、いずれも痕跡的な個体が大半を占めますが、どちらか片方もしくは両方が1mmほど盛り上がる個体も複数確認できました。また1個体、2箇所ある突起の頭角先端側が顕著に棒状に発達する個体がありました(根本側はほとんど痕跡的でした)。
頭角先端付近の突起(二股状に見える部分の根本側)の発達にも個体差があり、発達の度合い、頭角先端との距離はあまり安定しないように感じました。
原記載では「ほとんど痕跡的」とされ、また2010年のクワガタマガジン51号では複数のブラジル産の標本の比較において「頭角内突起が無く、頭角先端付近の突起も無いか小さい」とありますが、私が確認したペルー南部における個体群ではそのような特徴をもつ個体は20頭中7頭(全体の35%)でした。
なお、クワガタマガジン51号では頭角先端付近の突起が発達したブラジル西部の個体も掲載されています。
・上翅の色合い
明るいレモンイエローの個体が多く、黒点は概して小さく少ない印象です。
※会合線付近の毛や小盾板の点刻、体形等、しっかり確認できていない部分への言及は避けます。
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※引き伸ばして計測するようなことはしていませんが、完全に乾燥させた際に少しサイズが落ちる可能性がございます。念のため数mm小さくお見積りください。
また、油抜きした直後に撮影しております故、お手元に届いたタイミングでまた若干油が浮いてきている可能性がございます。
産地、採集年と月のデータが付きます。
【標本の状態について】
写真よりご判断ください。
マウント済み標本に関して、修理痕についてはできる限り確認して記載するように心がけておりますが、目立たない場所については確認できない場合もあります。
【発送について】
タッパー等の容器に緩衝材等とともに入れ、容器の周囲を気泡緩衝材で包んだ上で「ゆうパック」で発送いたします。発送方法についてご希望がございましたら善処いたしますのでお気軽にお申し付けください。
また、梱包には細心の注意を払っておりますが配送中の衝撃で標本が破損する場合がございます。原則NCNRでお願いいたします。
【送料について】
送料、梱包手数料として一律1200円をいただいております。
他の商品とまとめての発送も可能ですので、取引メッセージよりお申し付けください。