1887年イギリス発行の1/2C(ハーフクラウン)銀貨・ジュビリーヘッドのご紹介です。
まず、まだアンティークコイン歴の浅い方のための初歩の解説を軽くしておきますね。
「ジュビリー」とは25周年、50周年などの節目に行われる記念祭を意味する言葉です。
ちょうどこのコインが発行された1887年はヴィクトリア女王の在位50周年にあたります。
それを記念して、表面は王冠を被って、さらにベールを被った、ヴィクトリア女王のジュビリー胸像が描かれた、このコインが発行されました。
このコインを含め、ヴィクトリア女王、エリザベス2世女王などはコインに「胸像」が描かれるのですが、
基本的にイギリスの他のコインは統治していた当時の国王の(首から上の)頭部部分のみが描かれています。
なので50周年記念祭の「ジュビリー」と、頭部を意味する「ヘッド」を組み合わせ、
「ジュビリーヘッド」と呼ばれています。
コインを集めたり、コイン投資をしたりする上で覚えておいて全く損のない言葉ですので、
ぜひこの機会に「ジュビリーヘッド」と言う単語と、その言葉の成り立ちを覚えておくと良いと思います。
さてこのコイン・・・
1887年物はなんと言っても発行枚数が1,084枚のみと希少です。
「ヴィクトリア女王のジュビリーヘッド図柄」と言うだけでも人気なのですが、
この発行数が極少なのも伴って、自ら価値を上げながら世界を環流する希少品となります。
コインの裏面に目を移すと・・・
ダブルオーダー (ガーター勲章 / セントジョージ勲章) チェーン内の王冠と 4 分の 1 の紋章の盾が描かれています。
その描かれ方が繊細にして緻密です。
そしていかにも当時のイギリス帝国らしい荘厳なオーラを放っています。
個人的感想が入ってしまいますが、この裏面も本当に美しいです。
いつも感嘆とさせられます。本当に本当に美しい・・・・
イギリスの(ある意味)黄金期を象徴するかのようなデザインと出来栄えです。
ぜひ手に取ってマジマジと見て欲しい部分です。
この裏面だけでウィスキー3杯ぐらいはツマミいらずで軽くいけます。
とても人気があるコインなので、状態が良い物、高鑑定の物が市場に安価で出回ることは少ないです。
そして先にも書いた通り、値上がりを続けています。
「希少性+状態」の恩恵で「流通性」も高いと言うコインコレクション(投資)の基本三拍子が揃ったコインとなっております。
MS65やMS66など、このコインより高鑑定品も存在はしますが、
経年によりスラブ内で劣化してしまい「もうその数字付かないのでは?」と言うコインも多いです。
しかし、このコインはMS64の状態が保持されていると言って問題ないと思います。
均一な劣化具合も伴って今後年月をかければ綺麗なトーンさえ浮かび上がってくるであろうことが容易に想像できます。
特に裏面ですね。ここがバツグンに綺麗です。
画像で確認できると思いますが、撮影をするとPF(PR)のコインのように模様&文字以外の部分が黒く反射します。
この事はベテランのコインコレクターの方ならば、画像だけで説明不要で容易に見抜ける部分だと思います。
また全く劣化をしていないワケではありませんが、
その劣化具合が先にも書いたように均一です。
これも珍しい状態でして、
アンティークのシルバーが劣化する場合、大概「劣化ムラ」を伴ってしまいます。
ある一部分だけが極端に劣化や変質をしていたりします。
それがこのコインではほとんど見受けられません=かなり全体が均一な劣化状態に属する一枚となっています。
そんな部分にもぜひ注目してください。
アンティークコイン選びの基本三要素とも呼ばれる、
「希少性」「流通性」「状態」。
その全てが揃ったこのコイン!
ぜひ手に入れてその美しさと、荘厳さに酔いしれてください!!