■ Product name / Victorinox Soldier Model 1961 / Variant 5 (1993 ～ 2008) / Manufactured in 1995
■ 識別子 / 0.8610.26 （ ※ 型番 ）
■ Identifiers / 0.8610.26
■ セリングポイント
Victorinox Soldier Model 1961 はスイス軍の下士官と兵士全員に支給された官給品の生産終了モデルだからこそ価値がある名品と称賛され、世界中で取引されている価格の相場を知る手立てとして、eBay に出品されている当該品と製造年が1年違いで新品未使用・純正の個装箱が付属する個体を下記URLで参照していただけますと幸いです。
▲ttps://www.ebay.com/itm/226586616005 （※ ▲をhに変えて参照してください ）
下記URLのブログにも記載されている様に1995年製を入手するには困難を極めるとコレクターの間では周知の事実です。
▲ttps://www.roverhaven.com/the-rover-haven-blog/2018/12/16/collecting-the-model-1961-swiss-army-knife-part-2-fun-and-affordable-collectibility-meets-swiss-made （※ ▲をhに変えて参照してください ）
■ About Victorinox Soldier Model 1961
Victorinox は1962年 ～ 2008年まで Soldier Model 1961を製造していました。この期間中はスイス軍の下士官と兵士全員に支給されるナイフとして正式採用されていた “ 官給品 ” です。
1891年に初めてスイス陸軍にソルジャーナイフを納品した初代モデルで『 ビクトリノックスの始祖 』とも言うべきモデルにはラージブレード、缶切り、マイナスドライバー、リーマーが採用され、野外活動に必要な４つの機能を Soldier Model 1961 も踏襲しています。
グリップは ALOX を採用。Aluminum Oxide （ 酸化アルミニウム ）はアルミニウムの原料として使われ、アルミニウムの表面は酸化皮膜で保護されていますが皮膜自体はとても薄くて耐久性に乏しいため、耐食性や耐摩耗性を付与するアノダイズ加工（ 陽極酸化処理 ）を施しています。
その表面には規則正しく格子縞を彫り込む『 ギョーシェ彫り 』で装飾したことにより、微細な凹凸が光線を拡散させ、光の反射を抑えて視認性を高める効果があります。
マイナスドライバーが採用されている理由には行軍中にボルトアクション方式ライフル銃の分解 / メンテナンスに必須のツールでした。
■ Soldier Model 1961の変遷
・１９６２年～１９６５年まで製造された First Generation を筆頭に
・１９６６年～１９７７年まで製造された Variant 1
・１９７２年～１９７７年の間だけ製造された Variant 2
・１９７７年～１９８７年まで製造された Variant 3
Variant 3 からグリップの片面にスイス連邦の『 スイス国章マーク 』がアイコンとして採用される。※ スイス国章は Victorinox 、Wenger のアイコンとも異なり、誤認識される方を散見します
・１９８７年～１９９３年まで製造された Variant 4
・１９９３年～２００８年まで製造された Variant 5
Soldier Model 1961は Variant 毎に外見上には差異があり、特徴や変更された箇所は多岐にわたっていますが、全てのモデルにはブレードタング （ 刃の根本 ）に製造年が下２桁で刻印されています。
但し、Victorinox は１９６１年、１９７２年、１９７４年の Soldier Model 1961を全く製造しなかった事例があります。
スイス連邦からの要請を受け Victorinox と Wenger は官給品のサプライヤーに任命され、スイス軍は両社と公平に契約を締結し、同じ数量のソルジャーナイフを発注していた逸話があり、Victorinox が製造を休止していた年の受注分は既存の在庫品で賄ったのか？その一方で Wenger 社は製造ラインを止めることなく、Victorinox 社の受注分まで埋め合わせしたのかは不明とされています。
Variant 5 で仕様変更されたツールとして Variant 4 までの栓抜き部分に備わっていた鋭利な刃が廃止され、新たにワイヤーストリッパー用のノッチ（ 切り欠き ）が採用されました。（ 画像 ８ ）
栓抜きと缶切りのツールは Variant 4 までは『 エッジがあるヘアライン仕上げ 』でしたが、Variant 5 からはツール表面が『 エッジを滑らかに成形した鏡面仕上げ 』に変更されることになりました。※ 当該モデルの栓抜き、缶切りはエッジがあるヘアライン仕上げされた仕様です
■ Victorinox Soldier Model 1961 が誤認識される要因を考察
現在、日本市場に『 ビクトリノックス ソルジャー CV.AL 63251 』の商品名で流通している製品ですが、このモデルは Victorinox 製品全般を輸入して日本国内で販売するための日本法人 ビクトリノックス・ジャパン（株）での商品名であり、世界中で流通しているモデル名は『 Pioneer 』が正式名称で 1957年に ALOX 仕様で初めて登場し、基本設計が秀逸であったことから Victorinox のアイコニック・モデルとして現在でも継続して販売されています。
一般消費者による使用及び、一般家庭での使用を目的としている民生品だった『 Pioneer 』の登場から４年後の 1961年にスイス連邦からの要請を受けて、行軍中に遭遇する最も過酷な用途にも耐えられる軍の規定を満たすために『 Pioneer 』をブラッシュアップして官給品の『 Soldier Model 1961 』が誕生しました。
『 Pioneer 』の識別子は 0.8201.26 で『 Soldier Model 1961 』の識別子である 0.8610.26 とは全くの別モノであると解釈してください。
2008年にスイス連邦国防総省から Victorinox は『 Soldier Model 1961 』に代わる新型ソルジャーナイフの開発要請を受け、そのサプライヤー契約には 138万スイスフランで受注 / 75,000本のソルジャーナイフを製造する内容で『 Soldier 2008 』が誕生します。ブレードタングには０８が刻印され、111mm ラージサイズモデルでスイス国章がエンボス加工で付与された唯一のグリップが特長で識別子は 0.8461.MWCH です。
現在、スイス軍に支給される官給品として『 Soldier 2008 』が世界中に流通しているにも関わらず、ビクトリノックス・ジャパンは『 Pioneer 』を公式ＥＣサイト上で製品として掲載していないにも関わらず、『 ビクトリノックス ソルジャー CV.AL 63251 』を通販市場に流通させているのは Discontinued Models（ 生産終了品 ）であるが故に、コレクターズアイテムとして人気が高い『 Soldier Model 1961 』に肖った便乗商法と推測します。
外見上の相違点として、ソルジャー CV.AL は・・
① Soldier Model 1961 はグリップの片面にスイス連邦の『 スイス国章マーク 』がアイコンであるのに対して、ソルジャー CV.AL（ ※ Pioneer ）は Victorinox 社のアイコンであるクロス＆シールドというスイス国旗を盾で囲ったデザインです。
② ブレードタング（ 刃の根本 ）に製造された年を表す『 ２桁の数字（ 刻印 ）が無い 』
③ アイコンがあるグリップの反対側（ 裏面 ）のグリップ中央部には Victorinox 社とタイアップして販促活動を行う企業名を明記する長方形で無地のプレートがあり、ネスプレッソとタイアップした限定モデルの『 Pioneer 』には NESPRESSO と標記されています。
④ 『 キーリング 』が標準装備されている。( 注１)
( 注１) Victorinox 社が『 Soldier Model 1961 』を一般販売用として、1993年～2002年まで製造したモデルには特徴的なキーリングを備えており、日本国内でも商品名『 Soldier AL 』で皮革素材の専用ケースと共に販売されていましたが、このモデルは官給品としてスイス軍には納入されていません。
94年、95年、96年、97年、98年、99年、00年の刻印が現存していると報告されており、識別子は 0.8611.26 です。
官給品ではない『 Soldier Model 1961 』なので識別子が違う、Variant 1 ～ Variant 5 までキーリングは全く採用されていない。これらの理由から日本のコレクターには不人気ですが、海外のコレクターが集うフォーラムでは官給品ではなかったとしてもブレードには正式な刻印があることから酷評されるモデルではないとのことで日本以外での呼称は 『 Victorinox Soldier with Keyring 』として認知されています。
キーリングを備えた『 Soldier AL 』と日本市場に『 ビクトリノックス ソルジャー CV.AL 63251 』の名称で流通している商品はスイス国章マークと Victorinox 社のアイコンであるクロス＆シールドというスイス国旗を盾で囲ったデザインが唯一の相違点ですがマルチツールに惹かれる顕在顧客が外観上の差異を誤認識してしまうのは否めないと推測します。
ビクトリノックス・ジャパンが国内に流通させている商品名 ソルジャー CV.AL の CV とは civilian の略で文民・民間・一般市民と和訳され、民生品（ シビリアンモデル ）の ALOX 仕様だと主張したい思惑かもしれませんが、スイス軍に支給されていた官給品でもありません。
【 結論 】
ソルジャー CV.AL のモデル名では世界（ ※ 日本を除く ）に存在せず、正しくは『 Pioneer 』であり、ソルジャーと呼称される理由もありません。
【 コンディション 】
コレクションとして所蔵しておりましたが、屋外へ持ち出したことは皆無です。純正の個装箱等は廃棄しており、当該品はセーム革に包んで保管用の収納ケースにて保管していました。
各ツールのピボット部（ 可動部分 ）には専用オイルを注油するメンテナンスを施しており、全て滑らかに可動するコンディションを保持しています。
【 未使用に関する解釈 】
未使用という基準は主観の違いや解釈の度合いに個人差がございますので『 １０枚の画像 』と『 コンディション 』でご不明な点がございましたら、ご入札の前にＱ＆Ａ欄からお問い合わせください。（ ※ 終了間際のご質問には対応いたしかねますのでご容赦ください ）
ご自身の意思で入札なさるのですから入札後は如何なる理由をお申し出になられても、入札の取り消しをお受けすることはできませんのでご了承ください。
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