SOPIATECNO 300Bシングル 真空管パワーアンプ 日本 ――年 約¥500,000
Profactは北海道旭川市にかつて在住した高級真空管アンプメーカー。
神戸の輸入商社SOPIATECNOの真空管アンプ部門。
特徴的なグレーの化粧ケース入りトランスとゴージャスな金色の天板で見分けられる。
SOPIATECNOの広大な倉庫には大量のWE球が眠っていたという逸話がある。
WEの真空管という保有する商材の音質をいかんなく発揮させられる
市販製アンプが少ない事からWEの真空管の素晴らしさを宣伝する目的で
WE球の能力を最大限発揮させる事にフォーカスして提携が始まった。
WEの鉄芯コアにWEのヴィンテージワイヤーで日本の技術者が手巻きしたオリジナルトランスや
WEのエナメル単線を使った内部配線。ビルダーはProfact名義でもアンプを製作されていた。
Profactは大別してドイツ製出力管を使ったジャーマンヴィンテージサウンド系と
アメリカのWEサウンド系の二系統のアンプを製作していたが、
トランスは共通してWEのコア材とWEヴィンテージワイヤー巻き線を使用しているので、
どちらにもWEサウンドの支配力が表れている。
三段増幅の負帰還形回路で音質は優美で繊細、本家WEの腰の据わった低域の強さや
鮮烈なハリ出しがなく、音の質感はソフトでマイルドだが、温度感が高くオレンジ色の
暖色の音色に包まれる。圧倒的に華やいだ雰囲気でWEトーンを完全再現している。
女性ボーカルはまさに熱唱!という感じだが、暑苦しくなくエンターテイニングなテイスト、
能天気なほど陽性の音色で、些か常軌を逸しているほどハジケている。
過剰なほどのサーヴィス精神で愉しませてくれる。魅惑的な癒し系サウンド。
官能的で耳当たりがよく聴き疲れがない。音楽性はきわめて高く、夢見心地で聴き入ってしまう。
聴いていて圧倒的に愉しく、非常に感動的な音色です。柔らかい音で直熱三極管の
切れ込みの良さを強調する音ではありません。かなり濃さはあるけど上品な聴き味です。
パワートランスとアウトプットトランスのみの真空管アンプも多い中、
各トランスはインプット、チョーク、パワー、アウトプットまで化粧ケース入りの豪華仕様。
現代アンプでもっともWEサウンドを忠実に再現したアンプと云って間違いないだろう。
球の構成は 初段が 6J5/6C5/L63→6F6/WE349B→300B の三段構成。
整流管はオクタルの5U4GやCV378、5R4などが使用できます。
超高能率の励磁や100dBを超えるようなSPとの相性が特に良いです。
(TANNOYなどとの組み合わせも良かったです)
音味は比較的穏やかですが、じゃじゃ馬のALTECなどと組み合わせると、高バランス。
幅 約43㎝ 奥行 約24㎝ 高さ 約24㎝ 約15kg
実行出力 7.5W。
『低域に力が無いのは、プレート電圧がかなり低めなのもあると思います。
このアンプは負帰還アンプですが、280V位しかかかっていません。』
『定説では350-400Vで最もWEらしいと言われていますが、
ソピアテクノはそれよりも低い電圧で使用することで、
独特の音楽性を引き出していたのかも知れません。
LS8PPはWEとジャーマンヴィンテージサウンドの中間のような感じでした。
柔らかで渋めの音色が、何とも言えない味を出していました。
後は、回路的に、アースの取り方が特殊らしいです。
無線機に使われるアースの取り方らしく、
通常ならば残留ノイズやハムが乗って使い物にならないらしいのですが、
このアンプは良く抑えられていると…
修理を担当したメーカーさんが不思議がっていました』