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井上謙/神谷忠孝編、「向田邦子鑑賞事典」です。翰林書房刊、読みやすいハードカバーです。状態は、全般に良好です。送料はレターパックプラスで600円です。
★内容: 向田邦子が亡くなって18年余(※本書刊行時点;平成12年より)、今なおその人気は衰えない。毎年関係記事が出る。雑誌特集から資料紹 介など内容は多彩である。 研究会も盛んだ。 向田作品のTVドラマをはじめ、放送台本の小説化や作品の漫 画化など、その関心は年々高まっている。事故死の早世を惜しむ思いも強いが、その人気は決してそのよう な心情的なものだけではない。もっと存在感のある本質的な魅力が彼女の生き方と遺産にあるからである。 本書はその魅力を多面的に捉えた最初のガイドブックである。「向田邦子への誘い」から「人生」「作品」 「言葉」をキーワードとして、作品鑑賞と用語注解、年譜の充実を主要部分として編集したのもそのためである。もちろん、これが全てではないので、基礎研究を進める上で必要な資料と最新の情報を出来る限り収集整理して、その主要文献を提示した。癒しを求める現今、向田邦子の繊細な感性と温かい眼差しは、世紀を越えて読者の心をとらえるに違いない。また本格的な研究もこれからである。 本書が多少ともそれらの道案内の一助となれば幸いである。(序文より)
1.向田邦子への誘い
・向田邦子その誕生と終焉 /井上 謙
・映画とテレビは似て非なるもの /上野たま子
・脚本家・向田邦子の特質 /大石 静
・「父の詫び状」―生と死の記録装置 /平原日出夫
・『父の詫び状』 本文の生成 /栗原 敦
・向田邦子の小説 /半田美永
・昭和の精神の語り部 /松田良一
・「姉」の力へのオマージュ /大越愛子
・向田邦子食物考 /神谷忠孝
・向田邦子と東京 /小林竜雄
・向田邦子の旅 /戸塚隆子
2.向田邦子作品鑑賞
3.向田邦子語彙ワールド
4.向田邦子年譜
・著書目録
・『向田邦子全集』について
・ラジオ・テレビ・映画・演劇一覧
5.附
・主要参考文献目録
・【案内】 かごしま近代文学館
向田邦子文庫:
向田邦子研究会・
★向田邦子は1929年、東京生まれ。父の仕事により日本各地を転々とする。小学生の頃、鹿児島で数年を過ごした。この時期に家族や近所の人々と様々なエピソードがあり、その後の進路に多大な影響を与えた。「父の詫び状」のモチーフは第2の故郷、鹿児島時代の家族団欒であるといわれる。実践女子専門学校(現・実践女子大)国語科卒。映画雑誌の編集者を経て、昭和30年代終わりから50年代にかけラジオ、テレビの台本・脚本作家の地位を築いていく。ラジオエッセイで「森繁の重役読本」、「向田ドラマ」の代表作として、「七人の孫」、「だいこんの花」、「寺内貫太郎一家」、「阿修羅のごとく」、「あ・うん」、「隣りの女」など。1975年、46歳のときに乳癌で手術を受け、それをきっかけに随筆やエッセイを書き始める。山本夏彦は「向田邦子は突然あらわれてほとんど名人である」と絶賛した。その後、雑誌連載の短篇小説集 「思い出トランプ」に収められた「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で1980年、直木賞受賞。しかし惜しまれることに翌1981年、旅行先の台湾での航空機事故で急逝した(享年51)。代表作は、エッセイ集に「父の詫び状」、「夜中の薔薇」、長編「あ・うん」、作品集「隣の女」など。鋭敏な感性と深い人間洞察、きれ味の鋭い文章、巧みな台詞を端正に綴った作品は今なお愛され、また、自分の好きなものと徹底して向き合う向田自身のライフスタイルが注目を浴び続けている。
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