様々な裂から構成されている美しいラグです。「カンバディアラグ」で検索すると出てきますが、パッチワークする古布は尽きてしまって久しく、このような古い裂ばかりで作られたものには、残念ながらもう出会えません。
　これは、インド西部のラジャスタン州とグジャラート州に住むバンジャラ族の刺繍布です。大きさは、約135㎝×96㎝です。　
　カンバディアというのは、バンジャラ族が暮らしている町の名前で、そこでは、古くなった婚礼袋や合切袋、衣装の刺繍部分などを集めてパッチワークして、ラグとして使いました。
　近年でもお土産用に作られ、売られていますが、これは80年代に製作されたもので、パッチワークされているのは、主に20世紀初頭の古布ばかりで、新しい裂は全く見当たりません。構成されている裂は、天然染料が使われ、最近の科学染料で染められた裂を寄せ集めたパッチワークとは、全く色合いが違います。
　古い裂ばかりですので、刺繍糸の摩耗やほつれ等が、所々に見られます。これらも、使い込まれたことによる味わいかと思います。2〜5枚目の4分割画像でご確認の上、襤褸にご理解のある方のみ、ご入札をお願いいたします。
　まだ古い布が豊富にあった時代（1980年代）に作られたもので、現代作ではありません。近年製作されたものには、このような時代のある裂を使うことができません。構成されているどの裂も、繊細で手が込んでおり、力があって美しいと思います。
　最近のラグでも高価ですので、この時代のものは残っていないことを考えると、大変リーズナブルかと思います。古いものには、プリミティブな力強さがあります。お好きな方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。

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