世界に名を轟かす宝飾界の鬼才、ウォレス・チャン。
彼が手がけるジュエリーはジュエリーの枠を超えて、美術品と言った方がいいかもしれません。彼を形容する褒め文句は幾多も存在しています。ルネ・ラリックの生まれ変わり、東洋のJAR(Joel Arthur Rosenthal)、またはロシアのファベルジェの再来などなど。V&A美術館は日常的に著名人を招いたトークイベントが開催されていますが、2016年のウォレスのイベントには立ち見客が溢れかえり、他に類を見ない盛況ぶりだったそうです。
今回ご紹介するウォレスチャンによるインタリオのブローチ。ブルートパーズに彫られた貴婦人はまるで氷の世界の住人のよう。お写真では伝わらないのが残念ですが、実物は畏怖すら感じるほどの美しさ。彼の経歴を調べて知ったのですが、ウォレスは宗教的彫像の彫刻家として修行を積んだこともあったそう。だからこそピンと張り詰めた、この凛とした独特の雰囲気が漂うのでしょうね。
表と裏には彼のサインがしっかり彫られてます。
コレクションに、またはギフトにいかがでしょう。
素材:K18YG、ブルートパーズ、ダイヤモンド
サイズ:約3.6cm × 3.5cm
【ウォレス・カットについて】
この技法を完成させるまでにウォレスは13年もの歳月を費やしている。新しいカッティング技術を模索していたウォレスは石を背面から彫ることを思い付いたが、既存の器具では思い描く形を表現出来ない事に気付いた。そこでウォレスは器具工場で見習いとして6ヶ月働き、器具の仕組みや製造方法を一から学んだ。
最終的には歯科ドリルを改造して独自の器具を完成させたが、次にぶつかったのはドリルが発する高熱により、石が割れてしまうという問題だった。試行錯誤の末に辿り着いた解決策は、水中でカットを施す事だった。しかし水中では細部がよく見えないため、一彫りする毎に取り出して乾かし、確認してから再び水中でカットを施すという、気が遠くなるような作業が行われている。ウォレス・カットを施すためには一つの作品に数千時間以上を費やすそうだ。常軌を逸するような精神力だが、作業に集中している時、ウォレスは瞑想的な忘我の境地に達しているようで、「自分と石の境界線が無くなり、自分が石に、石が自分になる」と表現していた。
(2024年 5月 7日 6時 45分 追加)【ご注意下さい!】
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ちょっと怪しいのでお気をつけください!