増谷文雄 / 現代仏教入門 ★ 角川選書 1980年 初版 単行本 仏教を求める今日の要請に応える

タイトル：現代仏教入門
作者：増谷文雄
出版・発行：角川書店　角川選書 117
発行：1980年10月30日　初版
定価：880円
ページ数：258ページ
その他：新刊案内付き

[ 内容紹介 ]
　仏教とはつねに、新しく把握し、対決すべきものであり、
　そうであればこそ、いまなおいっそうに私たちの生活のみちびきとなり、
　力となりえているのである、と。
　著者の仏教への姿勢は、不変にして、かつ柔軟である。
　数年来、宗教、とりわけ仏教への関心のたかまりが言われる。
　そのなかにあって、「法をたずね、機を問う」本書こそ
　まさに今日にふさわしい、待ち望まれた一冊であるといえよう。
　釈尊の説法から根本仏教、大乗仏教へと説きいたり、
　「人間の宗教」としての仏教と、生の根本を問う
　現代の要請に応じた、「入門」の名著である。

[ 目次 ]
　I 人間
　　第一章 人間の宗教としての仏教
　　　仏教のあたらしい理解のために法然・親鸞の出発点も
　　　人間であった釈尊の出発点もまた人間である法と機の
　　　相応ということ　現代の思想的状況
　　第二章 釈尊の人間吟味
　　　釈尊の人間分析 さまざまの分析のしかた 透徹した人間観察
　　　人間無常の認得のうえに
　　第三章 人間性における善と悪
　　　仏教の人間観は性善の傾向がつよい 浄土門の人間解釈のみなもと
　　　法然の立場と天台の性悪説 天台の性悪説 について
　　　根源的な人間性としての仏性
　II 帰依
　　第四章 われらなにに依るべきか
　　　帰依ということ 人間の依りどころの問題 自帰依ということ
　　　法帰依ということ 三宝帰依ということ
　　第五章「法に帰依したてまつる」　三宝帰依(1)
　　　「われらるべきところあり」法ということばの三つの用法
　　　諸行無常ということ 存在のありかたとしての法則性 縁起ということ
　　第六章 「仏陀に帰依したてまつる」　三宝帰依(2)
　　　法と三宝の関係について 仏陀とは理想の人間像である
　　　導師ということば 諸仏をたてることの意味
　　　仏陀たることの条件について
　　第七章「僧伽に帰依したてまつる」　三宝帰依(3)
　　　うるわしい共同団体としての僧伽僧伽の基本的構造
　　　僧伽における釈尊の地位 善知識の本来の意味
　　第八章 仏教の宗教性について
　　　仏教の宗教性にたいする疑問
　　　仏教もまた「聖なるもの」のおしえである「聖とは正である」
　　　南無の心理を分析する この教法のまえに戦慄してたつ
　III 体系
　　第九章 釈尊の根本説法　(1)
　　　ただ道を教えるのみ 教法の地位 四諦説法の地位
　　　現実の人生直視して問題解決の方途
　　第十章 人間の欲望について 釈尊の根本説法（2）
　　　欲望という課題 欲望は善悪以前のもの 欲望のおそれを
　　　強調することの意味 欲望にかんする術語
　　第十一章 実践の原理について釈尊の根本説法（3）
　　　中道と正道「正しい」ことの第一条件 「正しい」ことの
　　　第二条件「正しい」ことの第三条件 正しいことばのありかた
　　第十二章 人間の理想的状態釈尊の根本説法（4）
　　　この道の究極の目標 涅槃とはなにか 平静にして自由なる人
　　　自由ということ
　IV教説
　　第十三章 釈尊の説法の基本的性格
　　　あらたに釈尊の説法の性格をもとめる　あるがままに見るということ
　　　単純であるということ 現実的であるということ
　　第十四章 譬喩について
　　　布のたとえの経のこと すべては燃えるというたとえ
　　　爪のうえの土にたとえて 芭蕉にたとえて 木の葉をたえとして
　　　竹をゆびさし、月をゆびさして理解にみちびくため力をあたえるために
　　　究極の理想を譬喩的に語る
　　第十五章 教理問答
　　　釈尊と問答 問答式の例 その解釈 問答式の応用問題の例
　　第十六章 感情と理性
　　　感銘ふかい説法について 感情の処理の問題
　　　第二の矢をうけず 理性による感情の処理
　　第十七章 人間的愛について
　　　マッリカーの花の名にちなむ経 自己のいとしさにまさるものはない
　　　人間的愛の肯定 真に自己を愛するものは誰か
　　　無我のおしえと人間愛の肯定
　　第十八章 悪魔の試み
　　　人間の弱質とたたかう人々 禁欲をたたえる常情とのたたかい
　　　新しき思想の不安とのたたかい 伝道の決意のなるまで
　　　説法者としての不安と反省 食欲の誘惑 権勢の誘惑
　　第十九章 人間形成の原理　業について
　　　賤しきものはたれか 聖なるものはたれか
　　　人間を形成するものはなにか 業のひろさとふかさについて
　V 大乗
　　第二十章 根本仏教の基本的性格
　　四十五年間の説法 この道の基本的性格をといた経
　　　法のもとに平等であること 自己の主は自己のみである
　　　自己形成のよりどころ
　　第二十一章 大乗仏教への道(1)
　　　仏教の歴史的変遷のかんがえかた 根本仏教教団の階級性
　　　智慧の道ということ 三つの田のたとえ
　　第二十二章 分析と直観――大乗仏教への道(2)
　　　「仏教は分別のおしえである」ということ 人間存在の条件をたずねる
　　　スコラ的いとなみに没頭する人々 分析と直観の対立
　　第二十三章 仏陀と菩薩――大乗仏教への道(3)
　　　あたらしい理想的人間像の登場 個人格の確立の要請のもとに
　　　人間存在の横の関係 あたらしい理想の導入
　　第二十四章 意識下の自己の問題―大乗仏教への道(4)
　　　わが胸のそこの底にあるもの 根本仏教における自己の深層の問題
　　　大乗仏教における深層意識の追求 意識下の自己の問題と宗教的実践
　あとがき

[　状態　]
　書店の紙カバーをしていました。
　カバー外：全体に少し変色しています。
　　　　　　汚れ・シミ・スレが少しあります。
　背：少し変色しています。シミ・スレが少しあります。
　天：少し変色しています。小さな汚れ・シミが多数あります。
　小口：少し変色しています。小さな汚れ・シミが少しあります。
　地：少し変色しています。小さな汚れ・シミが少しあります。
　カバー内：少し変色しています。汚れ・シミが少しあります。
　本表紙：少し変色し、汚れも少しあります。
　本文：全体に少し変色しています。
　　　　汚れ、シミが少しあります。
　　　　見開きのページあたりに蔵書印と購入日の書込み（鉛筆）があります。
　　　　それ以外に書込み、線引きはありません。（ペラペラめくりで確認）

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