・光学系に目立つ劣化は見られずきれいな状態だと思います。
・前玉、後玉の表面に目立つキズは見られず、マルチコーティングもきれいな状態です。
・外観は側面に小さな塗装のはげ等の劣化がわずかに見られますが,経過年数の割にはきれいだと思います。文字やマークの色はくっきりしていて見やすい状態です。詳細は前述のリンク先にある高解像度画像でご確認ください。
【可動部の状態】
・フォーカスリングは全周にわたって適度な手応えでスムーズ回転します。逆転時の遊びはなく微妙なピント合わせがしやすいと感じます。
・絞り羽根に油の付着はなくきれいです。
・絞り羽根の動作はPENTAX SPボディに取り付けて確認しましたが,シャッターに連動して迅速に開閉しました。
・絞りリングはクリック感が良く軽い力でスムーズに回転します。
【このレンズの特徴等】
・35mmフィルムカメラやフルサイズのデジタル一眼で使用すると,室内撮影でも被写体を画角内に収めやすく,室内用標準レンズとして使いやすい焦点距離です。
・APS-Cサイズのカメラでは,標準レンズとして活用できます。フルサイズの画角に換算すると約52mm相当になります。
・絞り開放からにじみのないシャープな画像になります。
・F8まで絞ると画面全体の解像感が高く感じます。
・カラーバランスが良くメリハリ良好な撮影結果が得られます。
・絞りはAUTOとMANUALの切替があります。
・最短撮影距離は0.45mです。
【分解清掃の内容】
・レンズを分解して、チリや汚れなどを可能な限り除去しました。
・個々の部品に分解した際に水洗可能な部品はすべて洗剤による洗浄を行いました。表面についた汚れや不要な油分を除去した結果、文字やマークの色もくっきりと鮮やかになっています。
・フォーカスリング内のヘリコイドを確認したところグリスの状態に特に問題がありませんでしたので、ヘリコイドの溝以外にはみ出たグリスをきれいに清掃するだけにしました。
・入手当初は絞りリングの回転がやや重ためになっていました。原因は絞りリングとともに回転するマウント部内にあるリング状の部品に古い固化気味の油分が付着していることでした。そこで、その油分を洗浄除去しました。その結果、絞りリングの操作感が大幅に改善され軽い力でクリック感良好に回転するようになりました。
・フォーカスリングと絞りリングは多くの方に良好だと感じていただける操作感だと思います。
・PENTAX SPボディにマグニファイアを取り付けて確認しながら無限遠マークの中心で無限遠にピントが合うように調整しました。ミラーレス一眼にマウントアダプターを介して取り付けた場合は、そのマウントアダプターの設計や工作精度によって無限遠位置が異なりますが、多くの場合オーバーインフ(無限遠マークのわずかに手前で無限遠にピントが合う)になることを確認しています。これは、マウントアダプターを使用した際に確実に無限遠が出せるように余裕を持たせているのだと思います。マウントアダプターに取り付けて無限遠を精密に調整しても、その時使用したものでしか正確な無限遠が出ない上、マウントアダプターで無限遠をピッタリ合わせてしまうと、多くの場合そのレンズを本来のフィルムカメラに取り付けた時には無限遠が出ないことになります。そこで、出品したレンズはフィルムカメラを基準にして正確に調整しましたので、フィルムカメラで星や遠景の写真を撮影する場合に、フォーカスリングを∞位置に合わせただけでピントが合う状態になっています。
・無限遠調整は天体望遠鏡の接眼部に人工星を取り付けたコリメーターで高精度に行いました。