絶版希少図録本 カメオとギリシャ神話図鑑 作品集 写真集 アンティークカメオ写真解説
インタリオ 19世紀カメオ 現代カメオ
ギリシャ美への陶酔 完全図解版 カメオ309点 線画イラスト786点 カメオのデザイン専門書 シェルカメオ ストーンカメオ
The Fascination of Greek Myth
An Illustrated Book of Cameos and Greek Myth
MITSUHISA MAEKAWA
前川光永 著
柏書店松原
1998年
174ページ
約29.5ｘ20.5ｘ1.5cm
ソフトカバー
カラー・モノクロ
※絶版
カメオに彫られているのは誰？あなたのカメオのモチーフは何という神？
カメオに魅せられた著者が、ライフワークとして長年研究してきた「カメオ」を通して見る、ギリシャ神話の世界。
完全図解版 カメオ309点 線画イラスト786点収録、写真解説。
かつてあった宝飾ジュエリー関係の名門出版社、柏書店松原から発行された、
イタリアのシェルカメオを中心に、カメオを通して見た、ギリシャの神々と姿を網羅して整理分類、図版解説を加えた作品集。
シェルカメオ、ストーンカメオほかカメオの図像解説書に関しては類書もほとんど無く、内容充実の大変貴重な資料本。
ギリシャ神話の登場人物の解説に沿って、それらがモチーフとされた世界の美術館・博物館所蔵などのカメオ作品、インタリオなどの図案、コレクターや各国の美術館の多数のアンティークカメオ、現代有名作家のアートカメオコレクションも多数カラー写真で紹介。
ジェンナロ・ガロファロ、チロ・ガグリョーネ、パスクアーレ・エスポジート、チロ・アメンドーラ、エンツォ・チリロなど現代のシェルカメオ作家たちの作品をはじめ、19世紀のアンティークカメオ作品写真図版をカラー・モノクロで多数収録した、情報満載の大変貴重な資料本です。
【ギリシャ神話はむずかしい】より
カメオに魅せられて10余年、多くのアンティークの宝石商、コレクターと接し、いつもよく話題になるのは、カメオや、インタリオに彫刻されているモチーフについてであった。カメオや、インタリオの書物によれば、それらには必ずギリシャ神話の神々や、物語りが多く彫られている、と書かれている。しかし、どの様な顔がゼウスであり、アプロディーテであるかなどを説明している書物は見当たらない。
しかし、日本と同じく、ヨーロッパに於いても、ほとんど文章だけの、ギリシャ神話の書物しか見つけることができなかった。1800年代、ヨーロッパに於いてギリシャ神話の書物が多く作られたと聞き、海外に出張した時など古本屋を見つけては飛び込んだが、探し求める事はできなかった。古本屋のオーナーがぼやくように、多くのイラストが載った書物は、バラバラにされて額装され、観光客のみやげ物として、アンティークショップの店先を飾り、現在ではほとんど残っていないとのことだった。
そこでカメオのモチーフを研究するならば、まずギリシャ神話を勉強しなければと、神話の書物をひも解いたが、まず面食らったのは、あまりにも似かよった名前の神々が登場することであった。いろいろな物語りの中に、お互いが関連しつつ登場する。それらを整理しつつ読まなければ到底、理解することが出来ず、そのため神々の関連図を描きながら読んだのであった。
それではホメロスや、ヘシオドスの詩人たちにより、神話伝説を口伝えによって聞かされた古代のギリシャ人たちは、神々の姿、顔などをどのように想像していたのであろうか。ある時、年少者向けのギリシャ神話の書物を探せば、誰にでも分かりやすいイラストを満載した本が見つかるのではと思い、本屋に出向いてみた。
【疑問より出来たこの書物】より
ギリシャ神話には、実に多くの神々が登場する。そして、それぞれの神には、さまざまな伝説が語られている。ヨーロッパの美術館で、古代のカメオを鑑賞する時、また宝石店に並べられたカメオを見た時、このカメオに彫られているのは一体誰なのか。また、どの様なストーリーが展開されているシーンなのか分からないことがある。なぜなら、ギリシャ神話には、酷似したシーンの伝説がよくあり、簡単には決められないからである。
それぞれの神々の性格や、その神を象徴する動物や、植物、そして髪型などから、神々の名前を推測しなければならない。
この本は、多くの諸先生方が課題にしてこられたギリシャ神話を、大胆にも説く、というものでは決してないが、流れとして、ほぼヘシオドスの神統記に沿って、そこに登場する神々のモチーフを最大限に掲載したつもりである。
本書に載せられている格円形のカメオや、インタリオのイラストは、すべて博物館の所蔵する古代の作品を、19世紀中頃に手書きで写し撮ったものである。それら大切な資料をこの本を製作するにあたり、コピーして下さったヨーロッパの図書館には、心から感謝を申し上げる次第です。また大切なカメオコレクションの写真撮影にご同意下さった多くのコレクターの方々、ナポリ国立考古学美館、フローレンス銀博物館(ピッテイ宮)、オーストリアウィーン美術史美術館、アテネ国立考古学美術館、大英博物館、ルーブル美術館、ペンシルバニア大学美術館の協力を得ることが出来、感謝を申し上げます。
1800年代にはカメオについての書物が多く出版された。しかし、当時の筆者においても、同じ疑問を持ち、断定されていない個所がしばしばある。ゼウスもしくはハーデス?セレーネあるいはアルテミス?といった具合に、簡単には断定できないと思われる書き方が多くされているのである。
そしてこの本を製作するにあたり、カメラマン・デザイナーの寺西世吉氏、柏書店松原(株)の松原信社長、またマエカワドロットエドワード、朋子夫妻、私の会社のスタッフに深く感謝する次第です。
この疑問を解決したいと研究を続け、収集した資料は、膨大なものになってしまった。つまり、ギリシャ神話の疑問からこの本は生まれたと言える。こうした時期に偶然、柏書店松原(株)の松原社長にお会いする機会を得、出版のお話をいただいた。
ライフワークとして研究してきた「カメオを通して見る、ギリシャの神々の姿」に興味を持っていただき、上、下2巻になってもぜひ出版するようにとのお誘いを受け、今回の出版となった次第である。
【目次】より 英文併記
序論
ギリシャ神話はむずかしい
ホメロスが画家であったなら
あなたのカメオのモチーフは何という神?
疑問より出来たこの書物
ギリシャ時代のヘアースタイルとファッション
ローマ時代のヘアースタイルとファッション
第1章 神話のルーツ
神話とは?
神々と共存した人間たち
人々の生活場面での崇拝する神々
神々への供え物
特定の神のみを崇拝したグループ(デイオニソスへの信仰)
ギリシャ神話のルーツ
神々の姿は国によって異なった
神々に神格化した人間たち
BC6000～2200年の神
BC2200～1400年クレタ文明時代の神
BC1600～1200年ミケナイ文明時代の神
BC1200年暗黒時代～BC30年ヘレニズム時代までの神
第2章 天地創造
すべては暗国の世界から始まった
宇宙は出来たが住む者がいなかった
神々の争いは、すさまじいものだった
白い泡からアプロディーテ(ヴィーナス)が生まれた
ゼウスはクレタ島で生まれた
ゼウスの仕返しは厳しかった
第3章 3人の神々は世界を分割した
人間の住んだ場所 大地
死者の住む世界 地下
オリュムポスの山の頂きに住んだ神々
大地は海に囲まれていた 海
地下の世界に通じるスチュクス川
第4章 ゼウスに逆らったプロメテウス
プロメテウスの先見の明
人間を創ったプロメテウス
プロメテウスのわなにはまったゼウス
人間に火の使い方を教えたプロメテウス
鎖につながれ拷問を受けるプロメテウス
オリュムポス神族とテイタン神族の系譜
第5章 人間を嫌ったゼウス
宇宙で最初の女性はパンドラ
洪水はゼウスの罰
石より生まれた新しい人種
洪水は地球を冷やすためだったかも
太陽神ヘリオス
第6章 泡より生まれたアプロディーテにまつわる神々
アプロディーテ(ローマ神話ヴィーナス)
海面の白い泡から生まれたアプロディーテ
官能的なアプロディーテの姿
アプロディーテは美と愛と豊かさの女神
アプロディーテは戦と航海の女神
強制結婚させられたアプロディーテ
アプロディーテとたわむれるエロス
軍神アーレスを愛したアブロディーテ
血の雨を見たアプロディーテの恋
アプロディーテの恋物語
ヘルマプロディトス
アプロディーテとリンゴ(パリスの審判)
ヘーパイストス(ローマ神話ウゥルカヌス)
アプロディーテに仕える女神カリテス(通称三美人)
アプロディーテの子供エロス
エロス(クピド)の恋人プシュケ
アブロディーテの恋人アーレス(ローマ神話マルス)
第7章 偉大なるゼウスとその恋人達
ゼウス(ローマ神話ジュピター)
ゼウスの名前の語源は
威厳に満ちたゼウスの姿
ゼウスの立像
エジプトの神々と同一化したゼウス
さまざまなゼウスの姿
ゼウスと女神たちとの結婚
ゼウスと人間の女たちとの恋
ヘーラ(ローマ神話ジュノ)
主婦の護り神としての女神
ゼウスとの結婚
ヘーラにまつわる伝説
ヘスペリデスの園
デメテル(ローマ神話ケレス)
デメテルは大地の実りの守護神
ハーデスに略奪されたペルセポネ
キュベレ(キュベベ)
イシス
第8章 ムサイ
ムサイ(ミューズ)
ムサイは学問の神
オルペウス
第9章 ゼウスの子ペルセウス
ペルセウス
ペルセウスメドウサを追う
ペルセウスとアンドロメダの恋
メドウサ
アテーナの怒りを買ったメドウサ
メドウサの目メドウサの血
さまざまなメドウサの顔
ベレロポン
第10章 ゼウスの頭より生まれ出たアテナ(ミネルバ)
アテナは知恵と戦いの神
アテナはゼウスの頭より出生
気高きアテナの姿
さまざまな姿をしたアテナ
パラスアテナ
アテナの伝説物語
第11章 双子のアポロとアルテミス
アポロ
デロス島で生まれたアポロ
アポロの姿
アポロは黄金の馬の馬車、アルテミスは雄鹿の馬車
アポロは芸術(音楽)の神
アポロとマーシャ
アポロの恋
アポロの戦い
アポロの息子アスクレピオス(医薬の神)
アルテミス(ローマ神話ダイアナ)
アルテミスは乙女の姿
アルテミスの伝説物語
エペソスのアルテミス
アルテミスに似た月の女神セレネ(ローマ神話ルナ)
【カラー作品写真図版】より一部紹介
アポロ
アルテミス 19世紀のストーンカメオ
アルテミス
アポロ 19世紀のストーンカメオ
アルテミス
メドウサ
19世紀のストーンカメオ
エロスとアプロディーテ(もしくはムサイ)
19世紀のストーンカメオ
エロス 19世紀のエメラルドカメオ
エロス
19世紀のストーンカメオ
エロス
エロスのコーラルカメオ
フローラ 19世紀のストーンカメオ
アプロディーテ 19世紀のストーンカメオ
ヘーラ
19世紀のストーンカメオ
アテナ
19世紀のサファイアカメオ
アテナ
19世紀のストーンカメオ
アテナ
19世紀のシェルカメオ
ディオニソスとバッカンテ
アポロ
ゼウス 19世紀のシェルカメオ
ナイト&デー
19世紀のシェルカメオ
現代カメオに彫られた神話物語
現代のシェルカメオ
作家:ジェンナロ・ガロファロ
アポロ
現代のシェルカメオ
作家:パスクアーレ・エスポジート
クピトとブシュケ
現代のシェルカメオ
作家:パスクアーレ・エスポジート
アプロディーテとエロス
現代のシェルカメオ
作家:チロ・ガグリョーネ
19世紀のシェルカメオ
アプロディーテ
エロス 19世紀のシェルカメオ
エロス
19世紀のシェルカメオ
アフロディーテとアレス 19世紀のシェルカメオ
エロス 19世紀のシェルカメオ
エロスとアプロディーテ 19世紀のシェルカメオ
エロス 19世紀のシェルカメオ
エロスとアプロディーテ 19世紀のシェルカメオ
エロス 19世紀のシェルカメオ
様々なエロスの姿 19世紀のシェルカメオ
ギリシャ時代に多く彫られたエジプト王
19世紀のガーネットカメオ
ギリシャ時代に多く彫られたムーア人のカメオ
19世紀のストーンカメオ
神々に同一化した女性たち 19世紀のアメジストとシトリンのカメオ
エロス 19世紀のストーンカメオ
ゼウスとヘーベ
19世紀のシェルカメオ
ストーンカメオ アプロディーテ
ストーンカメオ デメテル
ラバカメオニアブロディーテとアレス
ラバカメオスリーグレイセス
ストーンカメオ イシス
ラバカメオ デメテル
ラバカメオ デメテル
19世紀のカメオ
ラバカメオ キュベレ
ゼウスとヘラ
ヘラ
ゼウスとヘラ
アンティオペ
ゼウスとヘラ
ゼウスとヘーベ
19世紀のシェルカメオ
ゼウスとヘーベ
ヘラ
アポロ
ナイト アンド デイ
アルテミス
19世紀のシェルカメオ
セレネ
パンドラ
ペルセウス
パンドラとヘルメス
ヘーパイストス
15世紀のシェルカメオ
フローラ
ナイト アンド デイ
ハーデスとペルセポネ
現代カメオに彫られた神話物語
エロス
作家:パスクアーレ・エスポジート
エロス
作家:パスクアーレ・エスポジート
ポセイドンとアフロディーテ (ネーレイス)
ガラティア
ガラティア
作家:チロ アメンドーラ
ハーデスとペルセポネ
作家:エンツォ・チリロ
春風(プリマヴェーラ)
作家:エンツォ・チリロ
アポロとダフネ
作家:エンツォ・チリロ
エロス(クピド)
作家:チロ・アメンドーラ
ナイト アンド デイ
作家:チロ・アメンドーラ
アポロ
クピドとプシュケ
アプロディーテ
パエトン
ゼウスとヘーベ
ゼウス
クピドとプシュケ
アプロディーテ
パエトン
ゼウスとヘーベ
ゼウス
ゼウス
ポセイドンとアムビトリテ
アプロディーテとエロス
アプロディーテとアレス
バッカンテ
ティタン族と神
ムーサ
アプロディーテとアレス
エロスとアプロディーテ
アプロディーテとアレス
アポロ
アプロディーテとアレス
エロスとアプロディーテ
アルテミス
3美人
3美人
【著者について】
前川光永 MITSUHISA MAEKAWA
大阪生まれ
大学卒業後、(株)インテリア・マエカワ設立
インテリアデザイナーとして30年間活躍。
趣味のアンティーク美術が本業となり、20年前より アンティークジュエリーとカメオの専門店“磨美瑠” (マーブル) マーブル工芸(株)を経営。同時にアンティークカメオの研究を行い、 主な著書には「魅惑のアンティークカメオ」がある。 英文併記のこの本はヨーロッパ各地やアメリカでも好評を得、 その他各誌にも執筆している。1999年初旬には本誌の第2弾 「カメオとギリシャ神話図鑑 パート2」 (仮称)を出版の予定。
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