ロバート・ゴールドウォーター著、BSSギャラリー世界の巨匠シリーズ 「ゴーガン(GAUGUIN)」です。嘉門安雄訳。美術出版社刊、130ページ、大型ムック《ソフトカバー・新装版》。定価1,800円。状態は、全般にかなり良好です。送料は、クリックポストで185円です。
★内容: ゴーガンの作品の中から、選ばれた代表作40点を紹介する。大版のカラー図版を見開きの右に、解説を左に掲載し、とても見やすく・読みやすい構成になっている。また、ゴーガンの生涯と芸術について、年譜とともに57枚に及び図版を用い、味わい深く解説する。解説者は原始美術の著名な研究者、ロバート・ゴールドウォーターである。ここにはいくつかの自画像だけでなく、この芸術家に対して私たちのイメージを膨らませてくれる、彼の手紙や木版画、および版木の図版も含まれている。
「『私は描きながら、同時に夢を見ていたのだ』とゴーガン自身は語っています。しかし、19世紀の最後の20年間に、ゴーガンは20世紀の芸術にとって基本となるものを予見していたのでした。目の前にあって彼が見たものからではなく、彼の記憶の中にあるものから出発した主観的な描きかたのために、ゴーガンの多くの作品は、単純な線と豊かな色彩が作り出す『素朴で原始的な』外観をもっています。実際、放浪の生活がブルターニュの海岸へ、そしてマルティニクというカリブの島へ、最後には、マルキーズ諸島の原始的社会の中で晩年を送った南太平洋へとゴーガンを導いたのでした。
ゴーガンの作品の中には神秘主義的な傾向もあります。それは、踊り、働き、宗教的な法悦に浸る農民たちの姿にも、また、彼の絵画や木彫レリーフやテラコッタ、磁器などで描き出されたエキゾティ ックなポリネシアの人びとの魅惑的な姿にも表れています。 (中略) ゴーガンは芸術家としての心の安らぎを得るために、はるかかなたの地まで旅をしました。そして比類のない芸術的情景を見いだしたのです。しかし、ゴールドウォーターはこう語っています。 ―― ゴーガンが探っていたのは彼を取り巻く環境ではなくて、彼 身の内部だったのです。彼にテーマと形態を与えたのは自然ではなく、彼自身の『野生の想力』だったのです」 (カバー裏;コメントより)
★ポール・ゴーガン(Eugne Henri Paul Gauguin、1848 1903年)は、後期印象派を代表するフランスの画家。パリ生まれ。姓は「ゴーギャン」「ゴギャン」とも。35歳で株式取引店を辞し、次いで妻子とも別れて画業に専念。初めピサロに学び、印象派に接近したが、ブルターニュとマルティニク島を往復する間にサンテティスムに魅せられ、装飾性をもちながらも、単純な色彩と形態を通して精神の深みを追求し、独特の象徴主義絵画に到達した。エミール・ベルナールらとポンタベン派を形成している。その後ゴッホと共同生活したアルルや、10年余り滞在したタヒチ島で数々の傑作を残したが、マルキーズ諸島のドミニカ島で不遇と孤独のうちに死んだ。代表作に《黄色いキリスト》、《イア・オラナ・マリア》、《われわれはどこから来たのか。われわれは何か。われわれはどこへ行くのか》などがある。ゴーガンは《ノア・ノア》というタヒチ滞在の紀行文も書いている
★著者、ロバート・ゴールドウォーター(Robert Goldwater)は1907年、米国ニューヨーク生まれ。美術史家、アフリカ美術学者。コロンビア大学、ハーバード大学で美術史を学び、のちに博士論文を元に『近代絵画におけるプリミティビズム(Primitivism in Modern Painting)』を刊行して以降、原始美術(Primitive Art)の先駆者・権威として知られるようになっていく。クイーンズ・カレッジやニューヨーク大学で美術史の教鞭をとるほか、ロックフェラーの設立したニューヨークのプリミティブ・アート美術館(the Museum of Primitive Art)で初代館長を務めた。また、メトロポリタン美術館・原始芸術部門の諮問委員長なども務めた。妻は、世界的に有名なフランス人彫刻家ルイーズ・ブルジョワ。1973年死去(享年65)。
※出品ページに表示の「配送方法」はあくまで単品でご落札いただいた場合の方法と送料でございます。複数点をご落札いただいた場合は、最も経済的な方法で一括発送いたします。具体的には、ヤフオクに「まとめて取引」という仕組みがあり、ご落札者による「まとめて取引」の要請に応じて、出品者より一括送料をお知らせし、その上で一括決済いただくという流れになります。